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より安全な治療を可能に。
山中 紀明
(2005年度機械B進学 土肥・正宗 研究室所属 博士課程 2年)
ひとこと
学科を決めるには“何をしたいか”が大事だと思います。学科の雰囲気だけでなく研究室も見てみるといいかもしれません。
新しい手術デバイスの開発
現状では難しい治療をより簡単で安全に、さらに現状では不可能な治療を可能にする手術デバイスの研究をしています。特に対象としているのは、胎児外科手術です。妊娠中の胎児に病気が見つかった場合に、症状の進行や出生後の障害を未然に防ぐことを目的として出生前の胎児に行う手術ですが、治療が困難な場合が多々あり、合併症の危険も大きくなります。
そこで、羊水中に浮いている胎児を支えて胎児への治療を可能にするマニピュレータの研究をしています。また、子宮内のレーザ治療では、照射スポットの位置決めのために医師が内視鏡とレーザファイバを操作しますが、位置決めは難しく、胎盤に触れて出血させる危険が伴います。そのため、観察とレーザ照射を1本の内視鏡で行い、内視鏡自体を動かすことなくスポットの位置を制御するレーザ内視鏡の研究もしています。
医師とも直接話し合い、臨床使用のできるものを目指して研究に励んでいます。
丸いイスに座って、病気や手術の勉強もしています。
幅広い知識を学べる
機械Bでは、機械、ソフトウェアから生体に関することなど幅広く学ぶことができます。関係ないだろうと思っていた内容でも、研究課題や研究の進行によって必要となることもあります。そのとき広い知識をもっていることで、解決する手段を短時間で選択できます。そして研究を進めることで知識をさらに深めることができます。例えば内視鏡の設計のためのプログラムを作りましたが、講義では扱わない光学を自分で勉強し、計算に必要となる座標変換や微分方程式の数値解法などは講義で学んできたことを応用できました。
また、進学してくる人たちは向上心の高い人が多く、新しいことをどんどん吸収して応用できるようになるのでいい刺激をもらえます。そういう雰囲気も機械Bのいいところだと思います。
研究室で好評の出汁巻き卵
自由にできる
本研究室でのロボットやデバイスの開発は、設計から加工、組み立てまですべて自分で行えます。そのため研究を早く進めることができ、その過程で新たな発見も生まれます。さらに専用のプログラムを作って動かすところまで、一からシステム作りができるので面白いです。臨床で使えるものを目指して、色々なアイデアを出し合えるのもいいところだと思います。
また研究だけでなく、居酒屋や塾講師のアルバイトをしたり、意外と自由に過ごしていました。息抜きに最近は剣玉やパワーボールで遊んでいます。たまに出汁巻き卵を作って、研究室のみんなに食べてもらったりしています。