ロボットを使って、羽ばたき運動メカニズムに迫る。

佐藤 憲 (2009 年度機械B進学 下山・松本・高畑 研究室所属 修士課程 2年)
ひとこと

大学4年生になれば、研究室に配属されます。研究は知的好奇心を掻き立てる楽しいもので、そこから学べることは非常に多いですよ。

自分で飛び立つロボット

 卒業研究では羽ばたきロボットに関する研究を行いました。検証モデルとしてロボットを用い、昆虫などの羽ばたき運動のメカニズムを解明するのが目標です。私は、羽ばたき運動メカニズムの中でも、離陸時に翼に働く力に関してはこれまで研究例が少ないことに着目し、自力で離陸できる羽ばたきロボットを製作しました。ポイントは、駆動機構と圧力計測センサの小型化の2点です。駆動機構の小型化は学科の演習で培ったメカトロ技術を注ぎ込むことで実現し、圧力計測センサの小型化は研究室の先輩や教授たちの協力を得て、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で製作することで実現にこぎつけました。当初はできるかどうかわからない研究でした。なんども壁にぶちあたり、そのたびごとに頭を悩ませましたが、実際にロボットが自力離陸を行い、翼に作用する圧力を計測できたときは、おおきな達成感を味わうことができました。

自作の羽ばたき飛行機です。MEMS圧力センサが、片翼あたり3個搭載されています。

学科選びのアドバイス

 私は機械設計やソフトウェア、電気回路の知識を通してものづくりを行いたいという理由で機械Bを専攻しました。現在の研究室は設備や教授陣に恵まれており、自分の考えたデバイスやセンサを具現化し論文として発表出来るので毎日楽しく研究を行なっています。学科選びにおいては自分のやりたいことと得意分野をしっかり見極め、どの学科ならその目標を達成できるかを考えると良いと思います。また、卒業研究を通して、研究の楽しさや学部時代に学んだ授業の意義を改めて知ることができます。


研究室恒例のピクニック。昭和記念公園でサッカーします。

大学院ではオンとオフを切り分けて

 修士課程では研究内容をがらりと変えて、力センサの研究を行っています。今年の1月に国際学会に採択され、自分が行った研究を多くの人に発表する機会に恵まれました。自分が力を注いだ研究が、国内外の人に高い評価を受けたことや有益なアドバイスをいただけたことは、非常に貴重な経験となりました。また、最先端の技術や研究を幅広く知れるのも学会ならではです。
しかし、大学院生活はずっと研究だけというわけでは、必ずしもありません。研究室に入ってからもオフの時間というのは非常に大切です。私たちの研究室では研究の区切りとなる時期にピクニックや夏合宿、クリスマスパーティーなどといったイベントを行います。これらのイベントでは教授や学生はもちろん、OBの方も参加し研究の息抜きとしています。また、これら定期イベント以外に研究室のメンバーや他の研究室,友人等を集めてフットサルなども行っています。このフットサルでは留学生も多く参加しており、貴重な国際交流の場ともなっています。みなさんも機械Bで一生懸命で楽しい学生生活を送ってみてはいかがでしょう。