デジタルメディアを用いた豊かな博物館展示を目指して

岡田 直弥 (2012 年度機械B進学 廣瀬・谷川 研究室所属 修士課程 1年)
ひとこと

やりたいことが決まってない人でも、充実した授業や演習を通じて3年の終わりには必ず何か面白いと思える分野が見つかります。自分がわからないことでも、身近な同期や先輩の中に必ずわかる人がいるという環境は本当に素晴らしいと思います。少しでも興味がある分野があったら機械情報に入ることをおすすめします。

全天周映像で昔の思い出を追体験

 市街地での教育的効果の高い展示形態を目指したAR展示システムの研究を行っています。現在開発している「万世橋・交通博物館 思い出のぞき窓」という展示システムは、ユーザが秋葉原の万世橋に赴き、特定の場所にタブレット端末をかざすと、昔その場所にあった交通博物館の全天周映像が現在のカメラ映像に重ねて表示されるiOSアプリです。ARによる重畳表示により、ユーザは過去にタイムスリップしたかのような印象深い体験をすることができます。従来の博物館展示は博物館という閉じた空間内での静的なものでしたが、デジタルメディアを積極的に活用することで、市街地でも手軽に豊かな鑑賞ができる展示形態を目指しています。現在はこのアプリをApp Storeに公開しているので、ダウンロードして実際に現地で使ってくれているユーザもいます。「非常に面白い体験ができた」という意見をもらうときが最も達成感のある瞬間です。

秋葉原に行ってタイムスリップ!

同期や先輩と楽しく学べる!

 機械情報の強みは充実した演習と、演習の中で同期の仲間と積極的に切磋琢磨できるところだと思っています。3年生までは、幅広い分野の知識を授業で習得した上で、演習でその知識を活かして自分でモノを作ります。何と言っても同期の仲間たちのレベルが高いので、自分が何もできなくてもいろいろ教えてもらえます。私自身、同期に教えてもらうことで様々なノウハウを習得し、競い合い、励まし合ったりしながら楽しく演習を行うことができたので、電気回路やマイコン、ロボット制御、CGといった「広い」知識が自然と身についていました。私は機械情報に入ってからやりたいことを模索しようと思ってこの学科にしましたが、幅広い分野をカバーする演習のおかげでAR(拡張現実)・VR(仮想現実)という興味のある分野が見つかりました。4年生では自分の興味に応じた研究室に行き、今度はテーマを絞って「深い」知識を習得できるので、非常に満足しています。

Ladybug5という全天周カメラを使って開発しています.

自分に合った研究室へ

 私はAR・VRを用いて人々の生活を楽しいものにするような研究をしたいと思い、廣瀬・谷川研究室に入りました。研究室にいなければならないコアタイムがないので、各々が好きな時間に研究室に行って研究活動を行い、キリの良いタイミングで帰ります。自分は基本的に夜型なので、昼過ぎに研究室に行き、夜に帰宅することが多いです。研究自体は自宅でもできる人もいますが、研究室に行って同期や先輩と会話を交わすことで様々な知識が得られます。夕飯もB4から教授までいろんな人が交じり合って食べに行くことが多く、非常に楽しい研究生活を送っています。最後に一つだけ言っておきたいのは、研究室に配属されてからの生活は、研究室によって本当に様々だということです。配属前は研究室の雰囲気、実態がなかなか掴めないものです。なので、五月祭やキックオフといった縦のつながりが深まるイベントを通じて、3年生のうちに先輩と交流を深め、研究生活について情報を得ておくことをオススメします。

機械系卒業旅行ではローマやヴェネツィア,ミュンヘンを周ってきました.